どうも、内藤です。

今回の話は人類全体の話です。

というと、
なんというかスケール大きすぎる
という感じがしてきますが、

実はこれは自分にとって
苦手な人、嫌いな人に対しても
同じことが言える話題です。

ですから、ぜひ大きなスケールで
捉えつつ、実際には身近な人に対して
どう接していくか？を考えてみてください。

#G-017：人類の共通の目的とは何か？

僕ら人類は共通の目的を持っている、
と考えると案外シンプルに
物事を捉えられるものです。

もしそんなものがあるとすれば、
一体どんなものでしょうか？

「人類、共通の目的なんかあるのか？」
なんて思うかもしれません。

確かに一人一人、生き方も違うように見えますし、
時代によっても発想が違うように感じます。
だからやっぱり目的は違うんじゃないかと思ってしまいますよね。

本当にそうなんでしょうか？

ぜひ一緒に考えていきましょう。

人類の共通の目的とは、
幸せになること

だと僕は今、結論を出しています。

実はこの結論は、
始め先輩に教えてもらった結論でした。

ただ、僕は誰かから教わった結論を
信じ込むというのが嫌いな性格なので、
暫定的に結論としつつも、
実は違うんじゃないか？
と疑ってかかっていました。

が、どうもその結論は正しそうなのです。

僕たちは生まれながらにして、
同じ目的に向かっています。

しかし、同時に多種多様な考え方、生き方があり、
一見目的は全然違うように思えますよね。

・ある人は、競争社会で勝ち続けて裕福になりたいと思っています。
・ある人は、事業を成功させて、より世界をよくしたいと思っています。
・ある人は、お金なんて無くして、もっと自由な生活をみんなができれば良い、と思っています。
・ある人は、大きな会社に入って安定した人生を送りたいと思っています。
・ある人は、趣味を仕事にして好きと実益を両立させたいと思っています。　

こんな風に、
いろんな人の話や意見を聞いていくと、
一見、全く別方向に向かっているような感じさえしてきます。

上記は比較的ポジティブな話ですが、
人によっては
・BさんはAさんが憎いから傷つけたい、といい、
・AさんはBさんに復讐したい、言っています。

こんな発言を聞けば、
「人類は皆、共通の目的に向かっている」
という発想は単なる綺麗事のように感じるでしょう。

感じるかもしれませんが、
以前解説をした「視座」という縦軸を考慮し、
最も高い視座から見ると見方は変わってくるんです。

では、どうすれば
人類共通の目的を見出せるのでしょうか。

それは、個々人の目的について
「なぜ、その目的を達成したいのか？」
ということを繰り返し掘り下げていくと、
辿り着くことができます。

実は、以前僕は、あるグループで
同じように深掘りをしたことがあります。

「本当はどうしたいか？」
という問いをそれぞれ参加しているメンバーに
500個くらいブレインダンプで出してもらいました。

出てくるキーワードは
・専業デザイナーになりたい
・副業して、お金の余裕が欲しい
・独立したい
・気軽に旅行に行きたい
・もっと気軽に人と繋がりたい
・他人を犠牲にしたくない
・毎日が冒険のようにワクワクしたい
・ありのままで生きたい
・肉体的に健康でいたい
・困った時に助けて欲しい
・人を助けたい
・ぼーっとしたい

というように
個別具体的なものから、抽象的なものまで、
いろんなものがありました。

これらを本質を失わずに、
言葉にしていくと、皆、
「自由になりたい」
という言葉に集約していきます。

そしてなぜ自由になりたいのか？
をさらに深掘っていくと、
幸せになりたいから、
という言葉が出てくるんです。

不思議なことに、これは僕がやった限り、
どんなグループでも同じ結論が毎回出ます。

だから、
人類が生まれながらにして
持っている共通の目的とは、
「幸せになること」です。

というと、結論が早急すぎるわけですが、
しかし、そう言わざる得ない証拠は
実はいくらでも出てきます。

誰もが、様々な方法やルートを選択して、
ひたすらに「幸せになろう」としていると言えるんです。

これは、ぜひ一度やってみて欲しいんですが、
自分のすべての行為やあらゆる選択の理由について
掘り下げてみると、やっぱり同じ結論に至ります。

誰も本当に不幸になりたい、なんて
思っている人はいないんです。

時々
「自分は幸せになっちゃダメなんだ」
みたいな方もいますが、
それでも、その人でもひたすらに
掘り下げていけば、最終的には
「幸せになる」
ということを目的に今生きる手段を
選択していることが見えてきます。

つまり、
「人類は、皆、幸せになるために生まれてきた」
ということが見えてきます。

そして、今、この瞬間も
「幸せになるために生きている」
ということもできます。

もう少し進んだ人の場合
「幸せであり続けるために生きている」
という方もいます。

いずれにしても、人は実際は、
毎秒、毎瞬、常に、幸せになるための選択を
ただひたすらに続けていて、
そこに人間の生きる本質があると思うのです。

ただこんなことを書くと、
もしみんなが幸せになるために
生きてるのだとすれば、
誰かを傷つける行為や犯罪、戦争などないのでは？

と思いたくなるかもしれません。

もっと世界は平和で、安全で安心なんじゃないか
と思いたくなると思うのです。

確かにそういう気持ちはわかります。

しかし、その人にとって、
「その選択が考えうる最善だった」
という発想を取り入れれば、どうでしょうか。

理解を進めるために、
少し具体的にしてみましょう。

何か対立構造が起きてしまうような
事象を考えてみます。

たとえば、食。

食事に関して僕は目の前に人がいるときに、
その人の食生活についてとやかく言うことはありません。

なぜなら食とは生き方そのものですから、
対立が起きやすい部類とも言えます。

こういう話題で炎上したり、
対立構造を見ることはよくあります。

自然派とそうではない人の立場を
考えてみましょう。

自然派を意識している人は
添加物に関してよくないイメージを持っています。

すべての添加物が悪いと感じている人もいれば、
一部の海外で禁止されている添加物が悪い
と感じている人もいるでしょう。

長期的にわずかでも取り続ければ、
身体に不調がでてくる、
と思っていて
だから、なるべく添加物をさけて、
自然でつくられた食品がよい、
という意見はよく見かけます。

一方で、
添加物に対してあまり意識しない人にとっては、
「それは気にしすぎだ」
という意見があったり、
添加物に詳しい人の話なら、
保存するためにとても重要な添加物で、
厚生労働省が人体には影響がない範囲で
認定しているから大丈夫だ、
という意見を持っている人もいます。

あるいは、影響があっても微々たるものだから、
とにかく運動と睡眠が重要だ、
というひともいるでしょう。

実際、どちらが正しいかは
ここで論じる話ではないので、割愛しますが、
結局、この二者は、
どちらも健康でいたい、
おいしいものを長く食べたい、

というのがベースにあると思うのです。

ただ、その手段として
対立構造を取ってしまうというだけで、
何かそれぞれ思うことや知識や経験があって、
そのうえで、その手段を採用しているとも言えます。

つまり、自分が正しい、ということを
単に主張しているだけです。

これはどんなことでも同じです。

犯罪を犯した人、
誰かを殺してしまうような凶悪犯罪者でも同じで、
それをするのがその場において最良だと思ったからこそ、
その人はその選択をしているものです。

凶悪犯罪者なんだから、そんなことはない！

と思いたくなる気持ちもあるでしょうが、
たとえば、母親を刺殺して罪人となってしまった
少年もまったく例外ではありません。

冷静に考えれば、
幸せになるために肉親を刺し殺す
というような行為はしないでしょう。

そんな選択肢を思いつくこともありません。

ついカッとなって相手を
傷つける行為をすることはあっても
刺し殺すなんてことはしないでしょう。

そんな風に考えるかもしれません。

しかし、犯罪を犯した少年にとっては、
それが考えうる最善だったのです。

つまり、少年には「それしかなかった」んです。

わたしたちの多くは、普段、
命の危険を感じることもなく、
お腹が空けば食べるものがあり、
これといった不安のない平和な暮らしをしています。

だから、母親を刺し殺すなどという
自分とは違う選択をした人を見ると、
その平和な暮らしをしている自分の前提で
その人を判断してしまい、
その人の状況を思い巡らすことが
できなくなってしまいます。

そういう状況はよくあることです。

しかし、僕らも窮地に追い込まれたときほど、
考えうる選択肢の中から最善を選んでいるはずです。

その結果はどうあれ、そのとき自分の最善で

僕らも少年と同じく、
やはり「それしかなかった」と言えるんです。

だとすれば、
僕らは例えで出したこの少年を責めることは
できないものです。

もし、僕らが、
その少年とまったく同じ境遇を生きていて、
同じ環境で、同じタイミングで、
同様のことが起きたのだとすれば、
少年と同じ選択をしなかったと言い切れる人は
どれだけいるんでしょうか。

僕も、あなたも、
良い行いをする人も悪い行いをする人も、
今よりもいくばくかでもよくなるために、
あるいは、
これ以上に悪くならないために、
考えうる最善を選択しています。

おかれた環境
持っている知識
身に付けた教養
能力など

これらによって、
考えつく選択肢には大きな違いが生まれます。

お金をたくさん持っている人ができる選択と
そうではない人の選択は異なるでしょう。

ずっと誰かから虐げられてきた人の選択肢と
ずっと誰かから褒められて尊敬されてきた人の
選択肢は違うものです。

にもかかわらず、
僕らは外野から意見するときは、
それぞれの前提に立つことなく、
そのアイデアや選択だけを見て、
人の優劣を判断したりしてしまいがちです。

でも、実際は、皆、
同じプログラムで動いているに過ぎません。

同じ現実創造のメカニズムの上で、
記憶を作り、意図と行為によって、
新たな記憶を作る。

それによって現実を創造しています。

今目の前に起きている現実をより
よくしようとして、
そのときに考えうる最善を選んでいます。

ですから、
生み出せるアイデアのレベルが違うだけで、
じつは、誰もが皆、
同じ目的を目指している同士という理解をすれば、
今僕らの目の前の世界の状況が見えてくると思うのです。

こんな話をしても、
「なかなか信じられない」
という風に思うひともいるかもしれません。

実は、この話は、
人の認知機能について大きな影響も受ける話です。
ですから、すんなり理解しづらいものでもあります。

というのも、
僕らは見たもの、聞いたものを、
正しく認知できるかどうかは、
認知機能によって大きく乖離する、という点です。

例えるなら、

「赤信号は渡っちゃダメだ！」

と何度も怒っても渡ってしまう人がいたとして、
なぜその人が渡るのかというと、
「赤信号を赤だと認識できていない」
みたいな話です。

そもそもの話なのです。

「丸いホールケーキを三等分して欲しい」

と言っても、

丸いホールケーキを半分に切って、
その半分をさらに半分に切って
3つにする人がいるんです。

三等分にして、伝えているにもかかわらず、
もっと言えば「わかりました」と
本人が言っているにもかかわらず、
それを実行する人がいるんです。

ケーキの切れない非行少年たち

という話題になった書籍があります。
この本には非行に走る少年たちがなぜ、
そういう状況になるのか？
認知の歪みの影響はどういうものか？
について書かれていますから、
興味があれば読んでみてください。

僕らの現実は記憶の重み付けによって
生成される内容が異なります。

そして記憶は意図と行為によって
書き込まれますから、
意図と行為をどれだけ
狙い通りにするか？が重要になるわけですが、

多くの場合、
現実という目の前の事象を観測した後に、
僕らは意図と行為を決定します。

しかし、現実を観測する、というところ、
つまり、観測した結果、脳が認識するまでの
認知機能の精度の高さによって、
実行される意図と行為が変わってしまう、
なんてことは平気で起きるのです。

そして、残念ながら、
この認知機能を正しく鍛えていく
という内容は、今の学校教育に
組み込まれているわけではないため、
認知機能の精度が低い場合、
自分が欲しい結果と大きく乖離することもあり得るんです。

そうなってくると、
本人はただ幸せになりたいだけなのに、
取りうる手段が、
一見、おかしな行動になってしまう
なんてこともあるんです。

こんな風に、少なくとも原因行動をした人の
バックグラウンドまで理解した上で、
人類共通の目的を
考えていくと、やはり、
「幸せになる」
という結論に至るのではないか、と思っています。

これは、誰であっても、
本質的に敵となる人物は存在しない、ということ
なのではないか、と思うのです。

そう、ただ、取りうる手段が違うだけで。

提案：一体その人はどんなバックグラウンドを持っているんだろうか？

人類の共通の目的とは？
というなんだか壮大な話をしましたが、
この話は、小さなスケールでも同じです。

一見、自分にとって
敵に見えるような人であったとしても、
目指している目的は同じなんです。

でも、手段だけが違う。

この手段が違うというのが大きな問題なんだ！
と言いたくなる人もいるかもしれません。

でも、見方を変えるだけで、
実は同じだった、ということもあり得るのです。

また、それが結果的に認知機能の歪みから
きていることもあります。

認知機能については、
少なくとも僕らにも同じようなことが言えて、
鍛えなければ、やっぱり歪んだままなことは割と多くあります。

これは絵を描いたことがある人なら
実感が湧くでしょう。

思い込みで、描いてしまうと
全然違う、なんてことはよくあることで
それがつまり、歪みそのものです。

技術的にカバーできることもありますが、
多くの場合、歪んでたりします。

これは仕事でも同じです。
適切にヒアリングができない人は
そもそも聴くことができないわけですから、
勝手に歪んだ現実を生み出し、
勝手に相手のことを想像してしまうのです。

クライアントが一言も言ってないような
内容を勝手に作り出すんです。

見る・聴く

こういった最も基本的な能力自体に
フォーカスがされることはほとんどありませんが、
これをきちんと押さえつつ、
適切な手段さえ取ることができれば、

僕らは全人類、幸せになることができる、と
僕は思っています。

さぁ、あなたはどう思いますか？

今回は以上です。
ヒントになれば。