信頼構築というテーマで

情報共有をしていくと良いですよ、

という話をしていますが、

前回は教科書という機能的価値を

ベースに話をすると、とりあえず興味を持ってもらえるよ

という話をしました。

ですが、実はそれだけではどこかで頭打ちがきます。

ニーズに応えていくわけですから、ある程度はうまく行きます。

ですが、「信頼構築」という意味で言えば、

中途半端な結果になってしまう可能性も十分に秘めています。

そこで、今回は自分の専門性あるいは

得意分野以外にも必要なものについて

触れて行きます。

それは・・・

「情緒的価値」

です。

情緒的価値？

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね^^;

僕が勝手に言っている言葉ですから、

あまり聞き慣れないのも当たり前です。

で、情緒的価値とは何か？

というと、

簡単に言えば「人柄」や「理念」です。

それは喋り方かもしれませんし、

雰囲気かもしれませんし、

好きなもの、嫌いなものかもしれませんし、

感性かもしれません。

その人が何に対して感情を動かし

これまで生きてきたのか？

という部分が「情緒的価値」になります。

と言ってもあんまりイメージ湧かないかもしれません。

もうちょっとわかりやすい例で例えて行きましょう。

あなたは、数学を教えてもらう立場になったとします。

数学の生徒ですね。

さて、数学の先生は２人います。

A先生とB先生。

A先生は教科書通りに教えてくれますが、

話が面白くありません。

ただ、よく黒板を見るとすごくわかりやすいので、

抑揚はないけれど、教えるのはうまい先生です。

一方、B先生も教科書通りに教えてくれますが、

毎回面白いジョークを交えながら、公式を教えてくれます。

時々わかりづらかったりしますが、

話は面白いので、ずっと聞いてられます。

ここで情緒的価値は

A先生とB先生の違いにあります。

同じ教科書を使っていて

同じテーマで解説していますが、

わかりやすさだったり、話し方雰囲気など

人によって違いが出ますよね。

僕はこういう人柄に関係しそうな部分は全て

「情緒的価値」と僕は定義しています。

なぜこの「情緒的価値」が重要なのか？

というと、

結局、サービスを受けるのは僕ら人だからです。

いくら問題解決ができても、

最終的には"好み"で選択されないことだって

多くあったりします。

よくセールスを学んでいると

「人は感情でものを買う」

なんてことが言われたりしますが、

まさにその部分に共通する部分です。

問題解決ができて満足できるなら、

より好きな方を選ぶのが人間です。

前回、機能的価値の教科書を

持ちましょう、とお伝えしたのは

あくまで問題解決できる手段を

持ち合わせましょう、という話です。

これは最低限です。

一方で、それだけだと他に似たような人が出てきたときに、

競争になってしまうんです。

A製品よりB製品の方がよければ、みんなB製品に行きます。

これは当たり前です。

値段に違いがあれば、そこで制約上限が

入るかもしれませんが、似たような値段なら、良いものを選ぶでしょう。

これは昔からある「市場競争の原理」の発想です。

しかし今の時代は、

わざわざ検索をする人は少なくなってきていますし、

情報や製品は溢れかえっていますし、

多くの人は時間もないので、

問題解決ができる身近な人で

自分の好みに合う人を選択しがちです。

だから僕らはビジネスにおいても

情緒的価値を意識していく必要がありますし、

仮にどんなに人が

検索するようになって、人の時間に

余裕ができたとしても、

「感性が合う人のサービスを受けたい」

と思うものです。

あなただって、

嫌いな人から最高のものを買うより

好きな人から最高のものを買うようが良いですよね^^

だから学校の先生の好き嫌いが

成績に絡んでくるわけです。

同じ時間を使って同じこと教えてるはずなんです。

でも、好きか嫌いか、面白いか面白くないか

ただそれだけで、人のやる気もモチベーションも変わるんです。

そして、これは信頼関係に大きく影響を与えます。

というか与えてますよね。

わかりやすい先生は人気でしょうし、

生徒から支持されているでしょう。

そうではない先生は・・・。

だから、僕らは機能的価値という教科書を

持ちつつ、本来の自分を表現しながら

ビジネスを形取っていく必要があります。

これは「教える」というビジネスだけの

話ではありません。

もし扱うものが製品であれば、

開発段階や梱包の仕方など細かい部分に

「考え方」や「理念」という情緒的価値が

盛り込まれて行きます。

そのわかりやすい例が

スティーブ・ジョブズのいた頃の

Apple製品でしょう。

だから僕らは機能的価値以外に

情緒的価値を大事にしていく必要がありますし、

それがそのまま商品力になります。

さぁあなたは、どんな情緒的価値を持ってますか？

4-5：情緒的価値という人柄や理念