No30:最悪のパターンを想定する
今回は、仕事に関するお話です。
仕事をするときに、僕は常に最悪のパターンを
想定すると良い、と思って動いています。
「最悪のパターン」と言われても、
なかなかイメージできないかもしれません。
想像して欲しいのは、
こういう状況になったら、まずいなと思う、最も嫌な状況です。
例えば、映像撮影であれば、仕事の最中に、
使っているメインカメラが突然壊れてしまう、とかです。
もうこれは最悪ですね。
もっと身近なことでも良いかもしれません。
外でご飯を食べにお店に入ったとします。
席について、待っていても、
いつまでたっても注文を取りに来ません。
ここでの最悪なパターンは、
何も言わずにいたら、
いつまでもご飯が食べられないことでしょうか。
という、比較的、シンプルな状況も同じです。
ちなみに上記のシーン、僕は
経験があって、学生の頃だったか、
東京に行って、たまたま入った
ラーメン屋で席で待っていたんですけど、
30分くらいずっと店員さん来なくて。
僕は当時、人を呼ぶのもなんだか
恥ずかしくて、来るのをずっと待ってたんですよ:笑
(大きな声で呼ぶのも嫌だし)
で、30分くらい過ぎてから、
ようやく気づいてくれて、
ご飯にありつけた、という:苦笑
「いや、さっさと呼べよ」
って話ですけど、
ここでいう最悪のパターンは、
誰にも気付かれずに、ご飯が食べれない
ですかね:笑
その最悪なパターンを想定していれば、
もっとやりようはあったはずです。
まぁこういう事例は僕みたいに
ちょっと特殊例じゃない限りは
なかなかないかもしれませんが、
こーいう些細な事例から
仕事で起きうる事例まで、
どんなことでも同じです。
如何に、最悪なパターンを想定できるか。
電車が遅れて、仕事に間に合わない、
なんてことも最悪なパターンかもしれません。
こんな最悪のパターンが起きないように、
事前に手を尽くせないか?
というのが今回お伝えしたいことです。
仕事の話が分かりやすそうなので、
仕事で考える基準を書きましょうか。
普段の仕事をするときに、
これなら自分の最低ラインのクオリティを
確保するだけの状況になる、というものを
意識するということです。
たとえば、講義などを撮影する、
セミナー撮影において、僕ならカメラを
1台しか回さないということはやりません。
仮にクライアントが1台でも良いよ
と言って来たとしてもやりません。
こちらのミスで撮れてなかった、
ということが僕にとっては最悪のパターンだからです。
必ず予備カメラは常に回す。
つまり、こういうお話です。
そんなミスなんかあり得ない!なんて、
思う人もいるかもしれませんが、
僕らは人間です。
そんな些細なミスですら現場では
簡単に起きてしまったりします。
いくら事前準備や最終チェックをしていても、
トラブルは起きてしまうものです。
これはライブの撮影などの
仕事をしていた時、よく遭遇したものです。
どれだけ念入りにやったところで、
想定外のトラブルは起きます。
しかも起きて欲しくないタイミングで
起きるものです。
そこで、どれだけそのトラブルをカバーできる
動きができるか?が僕はプロの仕事だと思っています。
何もない時に、いつものクオリティを
出すのは当たり前です。
それより、もっと重要なのは、
最悪な状況に置かれた時に、
それを最悪な状況にしない事前対策と
その瞬間の柔軟な対応ができるか?
そして、アウトプットを常に一定ラインの
成果として出せるかどうか、
です。
ですから、
「まぁこれは起きないでしょう」
という思い込みは、ただの怠慢です。
これはコミュニケーションでも同じです。
確定した事項を
「最後にもう一度確認する」
ということでも、最悪のパターンを回避することは
十分にできます。
よく日本人は、曖昧な感じで進めてしまうことが多く
そのため認識違いが起きてしまう、なんてことが
平気で起きます。
認識違いが起きたまま、プロジェクトが進み、
問題が発生してから、実は全然ちがう認識だった、
これはまさに最悪のパターンです。
これを誰も想定してないのであれば、
そのチームは最悪でしょう。
ですから、そういう最悪のパターンを
回避するためにも、「再確認」という行為は、
僕は必須だと思っていますし、
ちょっと鬱陶しいくらい確認を入れて、
認識違いが起きないようにする方が
良いんじゃないか、と思っていたりします。
他にもいろんなことが考えられるでしょう。
仕事ではなくたって同じです。
旅行に行く時に、
「大事なものを忘れる」ということを回避するために、
チェックリストを作っておくでも良いでしょう。
スケジュールの漏れがないことを
回避するために、スケジュール帳で
時間単位で記載するでも良いでしょう。
僕の友人で、よく「ものを忘れた」と
言ってる人がいますが、毎回、繰り返しています。
本人は困っているような様子でしたが、
それもただの怠慢で、忘れない工夫を怠っているだけです。
きっと改善する気がないのでしょう。
僕らは人間ですから、ミスというものは、
いつか、確実に起きます。
どんなに気をつけていても、
起きるときは起きるものです。
それなら、いかにミスが起きない状況を作るか、
ミスが起きてもカバーできる状況を想定しておくか?
が重要です。
それが最悪のパターンを想定すること、
ということです。
エンジニアは
「フェールセーフ」
という発想が当たり前です。
僕はエンジニアだったので、
当たり前過ぎて、このフェールセーフが
世間で浸透していないことに
ずっと気付かなかったんですが、
「フェールセーフ」とは
何かが起きた時に、
安全側にプログラムが自動的に作動する
仕組みのことを指します。
プログラム以外でも言えます。
USBケーブルとかまさにそうですよね。
表と裏、ぱっと見どっちかわからなくても、
表裏向きを間違えても、
「刺さらないように」設計されてますよね。
世の中にはあるんですよ、
向き間違えたら、壊れる装置とか。
そうならないように設計するのが
エンジニアの常識ですが、
これは、何もエンジニアだけの常識じゃないんです。
作る側の人間は全て「フェールセーフ」の
発想をする方が良いと思ってます。
常に最悪のパターンを想定して、動く。
そうありたいものです。
そこまで考えたうえで、
失敗してしまったものは、ぶっちゃけどうしようもありません。
その時は、誠心誠意、クライアントに謝りましょう。
そして、二度とそれが起きないように対策をしてください。
常に最悪のパターンを想定していれば、
必然的に仕事のクオリティも上がりますし、
何かあったときの対処もかなり楽になります。
想定してない物事が起きたときに、
人はかなり動揺します。
人間ですから。
それをなるべくなら避けていきましょう。
想定することは、仕事をする上で、
大事なスキルです。