ABCブロックシート2

この２つです。

チェック項目は全部で23個があります。
これを１つ１つチェックしていきましょう。
やることは、それだけです。

もしシート１で取り出した内容が、
シート２のチェック項目で
満たされていないのだとすれば、
そのブロック（バケツ）には穴が空いています。

それぞれ9つのブロックについて、
少し解説をしてきましょう。

ブロック１：顧客

ビジネスは顧客のためにあります。
もし顧客を間違えていれば、
すべての打ち手を間違えてしまいます。
ですから、まずチェックすることは顧客です
顧客のブロックにある、チェックボックスは2つです。

□ 守るべき、愛すべき相手
（ともに目的を共有し、実現していきたい相手）を
顧客にできているか？

□ 些細な結果にも最大限の努力
（お金、時間、手間）を惜しみたくないと思える相手か？
（顧客を前にした自分の内面をチェック）

もし、ここに嫌な人が入っていたら、
「あぁ、また今日も仕事だ、いやだなぁ…⋯」
ってなっているはずです。

あるいは、こんなお客さんを相手にしたくないな、
と思っているはずです。

こんな状態なら、やる気も出ませんよね。
このチェックボックスにチェックが
入れられる人は、
毎日、この人のために頑張ろう、
ということに一生懸命取り組めているはずです。
だから、顧客から考えてみてください。
さぁこのチェックはどうでしょうか？

ブロック２：初回接触

次にチェックする項目は初回接触です。
この初回接触とは、
顧客と一番初めに出会う時の話です。
要は、どう出会うか？

ここをどういうふうに設計しているのか？
もすごく重要な項目です。
広告で出会っているのか？
ブログやSNSなどのメディアで
出会っているのか？

それとも、オフラインの交流会や
商工会議所などのイベントで出会い
名刺交換したのか、
色々あると思います。

ここをチェックしていきましょう。
チェック３つの項目があります。

□ 顧客の居場所を特定できているか？
□ 見込客に、無料、あるいは
　抵抗の少ない少額のオファーを
　持ちかけられているか？
□ 名簿化ができているか？
　（反応率・登録率をチェック）

先ほど書いた王に、これは、
初回接触の機会とどうやって仕掛ければ良いのか？
がわかっているのか、というチェックです。

闇雲に初回接触を増やしても
意味がありません。

できれば、効果的に効率的に、
この場所なら顧客はいる、
という自覚を持ってアプローチしていく
必要があります。

その方法はどんな媒体でも構いません。
今の世の中はいろんなメディアが存在しますから、
顧客が使っているだろうメディアに情報を
載せておくことはとても有効です。

そして、その初回接触する機会で、
きちんとオファーを投げておくことが重要です。

このオファーは顧客にとって
圧倒的な価値がありかつ
受け取りやすい内容であること、
その人たちに、そのあと別の商品や、
上位商品をアプローチできるように
リスト化ができているかが大事です。

これにチェックが入らなければ、
おそらく事業という仕組みで
儲けることができていないはずです。

ブロック３：商品

次にチェックすべき項目は商品です。

ここには4つの項目があります。

□ 顧客の成長に合わせて、
　複数の商品やサービスを提供できているか？
□ 継続課金にひも付けられているか？
□ 価格決定権を持つ商品はあるか？
□ フリー→フロントエンド→バックエンド→
　VIPがシームレスにつながるか？
（収益ファネルの転換率をチェック）

という4つです。
これは、商品そのものもそうですが、
商品全体のラインナップといっても良いですし、
別の言い方をすれば、収益ファネルのことです。

つまり、初回接触した見込客が、顧客化し、
顧客の生涯価値を最大限高めることが
できているかどうかがわかるチェック項目です。

つまり、儲かるカタチになっているかどうかが、
このチェックボックスに入る数で計れます。

もちろん、商品がたった１つで、
リピーターが多いという形もあり、
それだけで収益化ができますし、
それだけで成り立っている会社も多くあります。

ですが着目すべき点は
「顧客の生涯価値を最大限高めることができているかどうか」
ですから、この仕組みを作れていないのであれば、
まだまだ伸び代があるとも言えます。

ネットビジネスなどの情報商材を
よく売ってきた人間やそういう界隈に
出入りしていた人にとっては
ある意味で当たり前の形かもしれません。

オフラインビジネスや世間一般的な
ビジネスをやってきた人にとっては、
珍しい形かもしれません。

ブロック４：販売方法

ここは2つです。

□ 顧客が購入を躊躇したり、
　諦めてしまう問題をすべて取り除くことが
　できているか？
□ 価格は調査結果を参考にしたか？
　（各オファーの成約率・精読率をチェック）

これは、セールスです。
実際のところ、どの会社のセールスレターや、
セールスのプロセス、
セールストークスクリプトなどにも
成約を妨げるボトルネックがあります。

それをすべて解消すると成約率が
一気にカイゼンされます。

特に、各オファーの成約率や精読率を
きちんと測っておくことも重要です。

この数値がボトルネックになっている
ケースもよくあります。

例えば、広告の集客はとてもうまくいっていて、
初回接触の精読率もとても高い。

セールスレターの開封率はものすごく高いのに、
成約率が極端に低い、なんてことも
あったりします。

また、すでに市場にある似たような
商品を扱っている場合、
比較される可能性もありますから、
他社のサービスを調査した上で、
販売方法を見直していくことも重要な項目です。

ブロック５：収益モデル

5つ目のブロックは収益モデルです。
ここでチェックするのは4つです

□ 各請求は顧客から見て
　適切な名目が表現されているか？
□ 回収条件に主導権はあるか？
　価格決定権があればもっとすばらしい
□ 限りなく100％回収できているか？
□ 利益率・粗利額は十分か？
（継続率・返品率・回収率・利益率・粗利額・
　契約書をチェック）

各収益は顧客から見て適切な名目として
表現されているか？というのは
購読料とか、会費とか、参加費というような
請求名目です。

つまり、メンバーシップビジネスをやるのに、
購入という表現をしていると、
継続課金がはじまったときに、
「そんなことは知らなかった」と
解約が増えたり、
クレームがついたりします

また、レポートなどを
定期発行するような商品では、
会費よりも、定期購読という表現の方が
売上げが伸びる場合もあります。

逆に言えば、適切な表現ができていなければ、
得られる売上げを逃している可能性が
大だということです。

これは課金のアイデアです。
些細なところですが、請求名目は重要です。

限りなく100%回収できているか？
というチェックは、
契約しているのに、
実は支払ってもらえていない、だとか、
銀行振込で依頼があったけれど、
そのまま成約されずに終わってしまった
とかも含まれます。

未払い問題は、決して多くはありませんが、
ビジネスを長くやっていると遭遇する問題です。

その際、どうやって100%回収するべきか？は
起きたことがあれば確実に対策しておきましょう。

それがクレジットカードの有効期限切れだとか、
決済会社の連携ミスだとか、
そういうシステム的なこともありますから、
発生原因はきちんと特定しておきましょう。

最後の利益率、粗利額も
きちんと把握しておくべきです。
売れっぱなし、という状態は
決して良い状態ではありません。

継続課金モデルなのであれば、
継続率はどの程度のものなのか、
を常に計測しておくだけでも、
今うまくいっているのか、
それともうまくいっていないのか、
も見えてきます。

ブロック６：リソース

さて、次は、中心の顧客の
ブロックから右にすすんでいきます。
最初のブロックは、リソースです。

ここでは、２つのチェックボックスがあります。

□ 自社のリソースによって、
ライバルがまだ満たしていない顧客の欲求を
満すことができているか？

□ どのリソースを磨けば、ライバルとの差異を
もっと際立たせられるかというアイデアを持ち、
オペレーションに組み込まれているか？
（リソースリストをチェック）

これは、自社リソースで顧客を
魅了することができているかということです。

もし、これができていないと、
ライバルに簡単にそのポジションを
取って代わられるリスクを常に
抱えていることになります。
マネされやすいということです。

ABCステップでは「マネされろ」とありますが、
根幹の価値はマネできないレベルに
あることが前提です。

つまり、真似されるだけの背中を見せる状態と、
でも、マネしたいけど、マネしても
別物になってしまうという
参入障壁になっているレベルです。

実はこの状態がめちゃくちゃ強いんです。
いうは易し、するは難し。

僕も自信を持ってこれができているとは
言えないものですが、
常々目指したいと思っています。

そして、もう１つ、
使用しているどのリソースを磨けば、
ライバルとの差異をもっと際立たせられるという
アイデアを持っているかというチェック項目は、

自分たちの強みがどこで、
どこを伸ばせばいいかを知っているか
どうかのチェック項目です。

これを知らなければ、
やはりライバルが水面下で
あなたに気づかれないように準備をすれば、
一瞬でポジションを則られる可能性があります。

だから、
いいところを伸ばし続けられるかどうかは、
自社ブランドで牙城を築けるか
どうかの重要な診断基準になります。

ブロック７：パートナー

7つはパートナーです。
ここでのチェック項目は、２つです。

□ この事業の価値を引き上げてくれる
　パートナーと下げてしまうパートナーが
　把握できているか？

□ この事業の価値を上げてくれる
　パートナーだけと手を組めているか？
　（取引先・パートナーリストをチェック）

これは、そのままですが、
実はめちゃくちゃ重要です。
いってしまえば、誰とやるか？です。

ビジネスは一人一人違います。
全く同じビジネスをしていたとしても
やる人が異なれば、
全然違うものになります。

ですから、一緒にやるパートナーや
関係者との関係が
しがらみとか、お付き合いみたいな、
価値を生まないパートナーシップや
取引になっているのであれば、
それはさっさとやめてしまおう、
という話です。

ビジネスはあくまで、見るべきものは顧客です。
パートナーと一緒に、顧客に提供できる価値を
上げ続けられるかどうかを診断して、
パートナーも顧客と自社が成長できるために、
いつでもドラスティックに組み替えていく必要があります。

実は僕も誰と一緒にやるか？で
トラブルになったこともあります。

こちらが頑張ってやっていても、
関わるパートナーは全然同じ方向を
向いてくれない。

これは目的や理想が異なるからですが、
最も重要な目的や理想が異なる人、
価値観が異なる人と一緒に
仕事をしていても面白くはありませんし、
成長もありません。

その結果、顧客に迷惑をかけることも
ありますから、注意してください。

ビジネスブロックの1つに顧客がありましたが、
７つ目のパートナーもものすごく重要です。

特にプロデュースをする仕事についたり、
ビジネスをサポートする動き方をする場合は
パートナーとなる人物には注意してください。

「本当にその人と一緒にやって
　最高の仕事ができるのか？」

この問いは持っておくべきです。

ブロック８：オペレーション

次はオペレーションです。

ここにも２つのチェックボックスがあります。

□ それをやり続けるだけで、
　この事業は成長し続けるという
　オペレーションのサイクルが完成しているか？

□ ムダ・ムリ・ムラの排除はできているか？
（ワークフロー・業務ツールをチェック）

これは、まさに、今このＡＢＣで
やろうとしていることと同じですが、
僕らが考えるべきは、
「何をやり続ければ、成長し続けるのか？」
ということです。

これをやり続ければ、
事業は成長し続けるというオペレーションを
取り出してください。

ここを見つけることが、
事業において肝となる部分です。

逆にここが見つからないビジネスは、
いつまで経っても安定しません。

どんなオペレーションをすれば、
時間を味方につけた上で、
効率的に売上をあげられるか？です。

これができると、成長することが
特別な成功や目標などではなく、
日常の当たり前になります。

オペレーションコストも
圧倒的に削減することができます。
多くの会社が人件費が高いと
悩んでいる根本的な原因は、
従業員の能力のまえに、
何をやり続ければ、この会社は成功するのか
というオペレーションサイクルを
把握できていないことにあります。

多くの場合、この項目はほぼ全員チェックできない部類ですがチェックが入らなかった場合は、
これを意識して改善してみて下さい。

それだけでも、まったく時間的、金銭的、
精神的コストを削減することができます。

ブロック９：コスト構造

最後に、コスト構造です。
このブロックも診断すべき項目は
きわめてシンプルです。

□ 投資にならない支出
（ムダづかい・見栄づかい）を０にできているか？

□ 月次レベルで計測し、出て行くお金よりも、
　入ってくるお金が１円でも多くなっているか？
（現金出納帳をチェック）

これは、もっともシンプルで、
もっとも効果的な財務カイゼンです。

赤字の原因は、入ってくる金額よりも
使うほうが高いからです。

まぁこれも
いうは易し、するは難しの部分ですね。

赤字であるということは、
なぜ経費の方が高くなるのか？
あるいはなぜ売り上げが上がらないのか？
という難問を解くことができていない、
ということでもありますから、

ここの難問を解くことができなければ、
収益化すらしていないと思うのです。

しかしこのブロックでは、
シンプルにこの事実を数字で
把握していくためのものです。

そして、これができると、
毎月の経営を正確に評価できるようになります。

さぁいかがだったでしょうか。

提案：9つのビジネスブロックのシートを使って、バケツの穴をチェックしよう

このABCブロック、一回読んだだけでは
ほぼ100%といって良いほど
理解できないと思います。

だから実際、シートを使って
自分のビジネスを書き出して、
チェックしてみてください。

まずはそこからです。

そう、やってみるから
見えてくることもあるんです。

RE:THINKは大抵、
やらないと実感の湧かないことばかりを
テーマに扱っています。

やるからわかり、考えるから
より深く理解できるようになってきます。

そして、23のチェック項目で確認していくと
何ができていないのか？も客観的に
見ることができるようになります。

それがとても重要です。

そこで、

「あぁこんなにできていないのか。」
と凹んだり、残念な気持ちになるかもしれません。

ですが、その必要はありません。
むしろ、今その状態がわかった
ということに大きな価値があるものです。

物事で成功をしていくためには、
まず現状把握がとても重要です。

現状把握するためには、
測らなければ正確な状態は見えてきません。

多くの場合、感覚的に
今はこうなってるから大丈夫だろう、
あるいはこれは違うだろう、
という解釈ベースで判断しがちです。

僕もつい測ることを忘れてしまう時は、
なんとなくいい感じ、みたいに
ざっくり捉えてしまいがちです。

しかし、現実をより正確に
把握していくためには、
精度良く物事を測り、
物理現象としてどうなっているのか？
を捉えることが重要です。

ここと丁寧にできればできるほど、
現実をよりよくする精度が
どんどん上がっていきます。

大抵の場合、
ものすごくザルなのです。

ですから、今回のABCブロックで
23のチェック項目で現状を測って、
バケツの穴がどれだけ空いてるかを
把握できることはとても重要な意味を持ちます。

もし穴が空いていることがわかれば、
その部分を意識的に補強したり、
機能的にしていくだけで、
よくなっていくわけですから、

これまでとは違い、
「何をやったらいいか、わからない」
から抜け出すことができます。

あとは、フィードバックループで、
実装、計測、学習を繰り返すことで
どんどん物事は良くなっていきます。

さぁまずはビジネスを取り出して、
チェックしてみてください。

今回は以上です。
ヒントになれば。

#B-031：どうすれば「キャッシュフローは限りなく最大化される」のか？