この段階であれば、
独立の請負スタイルはできますが、
起業という社会に対して、
新しい価値を生み出していく、
という役割を果たすことはできません。

なぜなら、ブレるからです。

例えエネルギーが有り余っている
人だったとしても、
サービスを立ち上げて、
やってみたらなんか違うな、
といって途中でやめてしまい、
またサービスを立ち上げて、
という0→1、1→10の繰り返しです。

そしてどんどんエネルギーが尽きていき、
最終的には、終わりを迎えます。

実は僕もチームでこういう経験を
やったことがあるんですが、
これはかなり辛いです。

0→1、1→10までやるわけですから、
売上は立つけど、きちんと軌道に乗せる前の
段階でビジネスを潰すわけですから、
どんどんエネルギーがなくなっていきます。

何事も立ち上げる時が
一番エネルギーを使いますから、
0→1ばかりをやっているビジネスというのは、
本当に大変なんです。

特にプロデュースの場合、
（クリエイティブでもそうですが）
中心人物の使命が明確になっていないと、
エネルギーはそこではないところから
引っ張ることになります。

いわば外部の予備電源だけで
頑張ってやっている感じです。

周囲が頑張るから、
なんとか成り立っている状態なので、
予備電源が切れてしまえば、
そのビジネスは終了です。

ソースとなる中心人物の使命が見つかれば
途中で切り替えて、
そのまま軌道に乗せることはできますが、
ずっと予備電源でやっていられるわけでは
ありません。

なぜ、この話をするのかというと、
デザイナーや映像クリエイターといった
クリエイティブを中心とする職の人は

DEMIのビジネスの成長サイクルに出てくる、
各フェーズの人と関係する比率が
ものすごい高いからです。

つまり、

夢想家、起業家、経営者、投資家

仮にあなたが起業をしたいと
思わなかったとしても、
クリエイティブ職というのは、
ビジネスをサポートする
ポジションがほとんどです。

ですから、関わる相手によって、
自分の立場をはっきり保っておかないと、
巻き込まれることもあるわけです。

例えばもし仕事をする相手が
経営者であれば、すでに予算があり、
ビジネスが回っているところに対して、
サポートする形を取るわけですから、
そこまで考えることなく、
自分のルールとあった企業さんと一緒に
仕事をすれば良いのです。

しかし、夢想家だったり、起業家であれば、
予算があるところもあれば、
ないところもあります。

予算がないところで、
しかも使命すら明確でなければ、
比較的単価が安い状態で
ただひたすら0→1、1→10を繰り返して
頑張り続ける、なんてことになりかねないのです。

わかっていれば、そういう人とは
仕事をしない、
あるいは仕事をしてもここまで、
と決めておく、というルールで対応できますが、

ただ成り行きでやってしまうと
痛い目にあったりすることもあるでしょう。

ついついクリエイティブ職の人は
「このセクションだけ担当していれば良い」
という部分特化になりやすいですが、

ビジネスにおける大局をみる癖をつけておくと、
自分が有利に、あるいは十分に能力を発揮できる
ポジション取りをすることもできるようになりますから、

ぜひ、今回の話も関係がないと思わずに、
頭の片隅に置いて欲しいなと思っています。

関わるクリエイターやプロデューサー、
ディレクターポジションとなる人は、
自分のポジションを明確に保った状態で
かかわらないと、
かなり痛い目を見るので注意してください。

いや、本当に。

だいぶ、話がそれましたので、
話を戻しましょう。

使命が定まらない人の話ですね。

もし元々起業したい、
と思っている人なのだとすれば、
自分の中で使命が生まれるまで、
問題に気づいていくことに
フォーカスしていくことです。

一方で、起業をしたい、と思っていない人、
単に会社から独立して、
会社に依存せずに請負でもいいから、
自分で仕事をこなしていきたい、
と思っているような独立のレベルであるなら、
使命を頑張って取り出す必要はありません。

ただ、使命がないと軸としては
ブレてしまうこともあるでしょうから、
なんちゃって使命と言いますか、
それっぽい目的だけでも
持っておくで良いでしょう。

ただ、僕はそんななんちゃって使命よりも
重要なのは「やりたい」という気持ちに
フォーカスした方が良い思っています。

夢想家の役割は夢を描くこと

使命を明確に取り出せない場合のフェーズは、
先に書いたように夢想家です。

夢想家は名前の通り、
夢を想う人です。

ですから、使命なんか考えるよりも前に、
今やりたいこと、やってみたいこと、
将来こうなりたいと想うこと、
そういうことを想像し、
周囲に語ることです。

たいそうな使命なんかなくとも、
こういうことがやりたい、であれば、
いくらでも出てくると想うのです。

もしその中で、憧れる人がいたり、
憧れの生き方があるのであれば、
そういう情報をたくさんとって、
解像度を上げておく、
そしてもっと夢を見ていく、
これで十分だと思っています。

むしろ、そこに対して
どんどん意識を向けることで、
自分のモチベーションに繋がっていきます。

制限ばかりに囚われていては、
やりたいこと、実現したいことなんて
出てきませんから、
思いっきり制約を外して、
妄想でもいいから思いを
めぐらしてみることです。

お金が無限にあったらどうか
時間が有り余ってたらどうか
みんなが味方でいてくれたらどうか

などなど。

そして、そんな無制限から
見えてきた、目指しているものが出てくれば、
言葉にしたり、周囲に明言しておくと、
応援されやすいですし、
そういう仕事が舞い込んできたりするものです。

欲しいもの、実現したいことは、
語るところから始まる。

例えば、僕がアニメの仕事がしたい、
とよくいってたら、アニメの仕事が手元に来たり、
マーケティングの仕事がしたい、
といっていたら、マーケティングの仕事がきたり、
という感じです。

これは大きな使命がなくとも、
やりたいことはやりたい、
と明言しておくだけで得られる効果です。

ぜひやってみてください。

むしろ、
欲しいものを欲しいと言わないことが、
欲しいものを手に入れられない壁の1つ、
ともいえます。

そう、何かを欲しい、と思うときに、
多くの人は、ついつい条件を考えがちです。

例えば、液晶ディスプレイが欲しいな、
と思ってたとして、価格ドットコムとか、
そういうところで値段を見て、
「あぁ3万円くらいかかるのか」
と思って3万円を用意しようとし始めたり、

デザインの仕事が欲しいな、
と思っていたとしても、
自分にはデザインの仕事の経験がないから、
まだ無理だなと思ったり、

でも、実際には僕らが
あれこれ頭で考える条件が
必ずしも必要とは限りません。

ただ「欲しい」「やりたい」という声を
上げることだけで、なんの苦労もなく、
手に入れられることだって十分にあるんです。

それをやってるのが子供です。

親であれば、子供が欲しいと思うものは、
一瞬渋ったとしても、どこかのタイミングで、
なんとか叶えようと思ったりするものです。

別の子供から
何かの交換条件を出されるから、
欲しいものを買う、
なんてことをするわけではないですよね。

もし良き人間関係を
作ることができたのであれば、
欲しいものややりたいことは
「ただ公言するだけ」で
手に入れられる可能性が
ぐんと上がるんです。

だから、夢や実現したいこと、やりたいこと、
欲しいものは、公言していくようにしましょう。

欲しいものを手に入れられる条件は、
「公言すること」です。

実はそれ以外は余計な考えかもしれません。

ただ、言ってるだけで、手に入れられるなら、
それほど楽なことはないじゃないですか。

もし、いや、そんなことはない、と思うなら、
それはもしかしてあなたが
勝手にそう思い込んで、
言わないことが原因かもしれません。

世界は、自分が思うようにできていますから。

どう思いますか？

提案：顧客に共感が得られる使命を語れそうか？
もし語れるなら多いにエピソードを込めて語ろう。
もし語れそうにないなら、夢を描こう。

提案の通りです。
ぜひ使命が語れるなら、
一文にしてみてください。
使命がなければ、夢を語りましょう。

起業でも独立でも
僕は使命は必要だと思っています。
それがあるから軸ができ、
ブレることがない活動ができますから。

とはいえ、すべての人がその使命を明確に
語れるとも思っていません。

そういう場合むしろ、夢想家のフェーズです。

であれば、夢想家は夢想家らしく、
夢をやりたいことを、
憧れることを語る必要があります。

特にデザイナーであれ、
映像クリエイターであれ、
駆け出しであれば、
夢を語ることの方が良いと思うんです。

使命を語れるのであれば、
それに越したことはありませんが、
そういうエピソードに出くわさない限りは、
使命になり得ません。

ですから、その分、夢をやりたいことを語って、
周囲を仲間にしながら応援されて、
成長していく方がずっと良いものです。

そのためにも、ぜひ自分の気持ちの、
素朴さを大事にしてみてください。

使命にならなくとも、
・誰のために
・なんのために（目的）
・なぜ自分が（理由）

をなんとなくでも良いので、言葉にしておくと、
ブレることなく仕事をすることができますから、
ぜひ参考にしてみてください。

今回は以上です。
ヒントになれば。

#B-035：使命を語るか？夢を語るか？